2021年7月29日
認知症の奥様を支え、共に余生を過ごされていたご主人様からのご相談です。
奥様の認知症が進行し、
「自分に万が一のことがあった場合、残された妻が心配」とのお気持ちから、
全財産を奥様に相続させるという自筆証書の遺言書を既に作成されていました。
しかし、残念ながら奥様が先に旅立たれてしまいました。
ご主人様の今後が心配になった担当ケアマネジャーから相談が入り、
初めてご主人様と面談することとなりました。
ご主人様は、今後のことについて
「何も考えたくない。妻が先に亡くなってしまった以上、もうどうでもいい。ただ故郷が恋しい…」
と、心の内を吐露されました。
そこで私は、
「今後の財産については、奥様の故郷に寄付されてみてはいかがでしょうか」
と提案をしました。
当初は「そんなことが出来るのか」とご主人様は驚かれていましたが、
打ち合わせを重ねる中でお気持ちを固められ、この内容で遺言公正証書を作成することとなりました。
その5ヶ月後、奥様に寄り添うようご主人様もお亡くなりになり、
私が遺言の執行者として、奥様の故郷である自治体への寄付を執行しました。
奥様を愛し、奥様の故郷を愛したご主人様の
確かな想いを実現した遺言執行となりました。
生きていれば、いずれ死は誰にでも訪れます。
その上で、ご自身の生き方や想いを後世に残し、
次世代につなぐことが大事だと思います。
気になる事がありましたら、お気軽にご相談下さい。
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