2025年6月9日
理事長の信夫です。
私が遺言執行者に指定されている方の遺言執行手続きにおいて、ご指定いただいた遺贈先に寄付が完了しましたことを、故人に報告して参りました。
この方は、当団体のブログ2025年4月16日に掲載させていただいた方です。
私は、予後が短く、自分の死を受け入れた方と面談することが多くあります。
そのような状況下で、「どれだけご本人に寄り添い、その方の想いを遺すことができるか」を日々追及しています。
そして少ない時間の中で、ご本人の想いをしっかり遺すため、遺言の付言事項の内容を何よりも重要視しています。
また、自分らしく生きてこられた方々が、自分らしい死に方、自分らしい死後の手続きを選択できる社会であってほしいと切実に思います。
身寄りのない方がご逝去された場合、行政がご遺体を安置し、引き取り手を探します。
引き取り手が見つからない場合は、行政が火葬し、行政が管理する合祀墓に納骨されることになります。
ご自身が生前管理されていたご両親が眠るお墓に、一緒に入ることができないケースもある、これが現実です。
ご自身が望む寄付や、死後の手続きを第三者に託すためには、遺言と死後事務委任契約を公正証書で作成することが必要です。
そしてこれらの手続きは、国民の新たな社会資源として広く啓発していくべきです。
意思判断能力があるお一人さまは、後見制度では救うことができません。当然のことながら、意思判断能力があるため、家庭裁判所の審判が下りないのです。
今回の方も、お体の状態は良くありませんし、ご自身の死を受け入れていらっしゃいましたが、意思判断能力は明瞭でした。
そのため、後見制度では救うことができません。ご自身の意思で寄付先を指定し、ご自身が望む死後手続きを示して下さいました。
私は故人に遺言執行手続きが完了したことをご報告に伺うことが、とても大事だと考えております。
これからも、多くの方に寄り添い、誠意を持って遺言執行手続きを行って参ります。
継ぐサポ 信夫