2023年12月27日
私たち都民シルバーサポートセンターでは、高齢者の様々な問題が顕在化し、切羽詰まった状態でご相談頂くことが多くあります。
先日は、ある病院のソーシャルワーカーから、余命3週間の高齢女性についてご相談がありました。
非常に緊急性の高い案件ということで、すぐに病院へ向かいました。
その女性は、夫に先立たれ、子や兄弟もいないことから、夫側の義妹が金銭管理を含め、介護をしていました。
もし、このままこの女性が亡くなると、子・親・兄弟がいないため、ご自身の財産は全て国庫に帰属してしまいます。
この方のように、相続人不存在で国庫に帰属する財産が、2021年度は過去最高の647億円(20年前の6倍)にのぼりました。
中には、20億円もの資産が国のものになった例もあると、新聞に掲載されていました。本当に驚きです。
今回のご相談者様の場合、金銭管理や介護などの支援をしている義妹には、全く財産を遺せないことになります。
ご本人の意向を伺うと、
「お世話になった義妹とその子どもに財産を相続させたい」
とのことでした。
それを実現させるには遺言を遺すしかないとお伝えすると、
「私が生きているうちに遺言を作成したい」
と、意思表示をされました。
残り僅かな命であることを知っている私たちは、早々に公正証書遺言の作成に取り掛かりました。
公証人やソーシャルワーカーの協力もあり、初回の面談日から、わずか1週間で公正証書を作成することができました。
通常は1~2ヶ月かかるため、驚異的な早さです。
今回のように、私たち都民シルバーサポートセンターは、他では解決が難しい急ぎの案件でも、必ず解決するんだという強い意思を持って活動しています。
無事に遺言作成ができたことで、ご本人だけではなく、残される方からも『ありがとう』と感謝のお言葉を頂きました。
まさに私たちが大切にしている『今と、その先のありがとうへ』を実感し、自分たちの存在意義を感じられる一日でした。
今回、問題に気づき、すぐにご連絡頂いたソーシャルワーカーの方や、最期の力を振り絞って遺言作成に取り組まれたご相談者様、そしてご協力いただいた全ての方に、心より感謝申し上げます。
継ぐサポ