2023年8月7日
「要支援の娘を残してこの世を去れない」
と半年前にご相談があり、現在サポートさせていただいている90代の男性がいます。
父と娘の2人家族で、娘は要支援のため、買い物や料理など家事全般を90代の父が担っていました。
ご本人の一番の心配は、自分が死んだ後の娘の事で、「自分に何かあったら娘を頼むよ」が口癖でした。
今年の2月、「娘の様子がおかしいが、病院に行ってくれない」と電話がありました。
自宅を訪問し、タクシーで病院へ向かい、入院させて欲しいとお願いしましたが自宅に戻されてしまいました。
地域包括支援センターにも相談しましたが、娘さんは60歳で特定疾患がないため
介護保険も利用できず、支援をお願いすることは出来ませんでした。
3月末、娘さんの様子がおかしいと連絡があり、再度自宅を訪問しましたが、
娘さんは寝室から出てくる元気がありませんでした。
その数日後、娘さんは他界されました。
他に支援の方法がなかったのか、とても悩み、悲しい気持ちになりました。
その後、94歳の誕生日を迎えたその日にお花を持って、ご本人の自宅を訪問しました。
「自分が娘を見送って、娘の荷物を片付けることができた」
そう話す男性の表情は、悲しみの中にも、親として娘を見送ってあげることができたという安堵感を感じました。
それはこれまで見せていた、娘をひとり残して死ぬことを憂う表情とは異なるものでした。
親亡き後の子どもの支援やおひとりさまの支援について、NPO法人としてさらに充実してまいりたいと思います。
継ぐサポ