2023年3月16日
私が遺言公正証書原案作成を受任している方のお話です。
その方は80代後半の男性で、認知症の奥様とお二人で暮らしています。
ご主人は持病がありながら、在宅で献身的に奥様の生活を支えていらっしゃいます。
ご自身が先に亡くなった場合、残される奥様が心配で、遺言書作成を考えたそうです。
何度が打合せでご自宅に行きましたが、ある訪問日に「昨日ご主人が緊急入院された」と奥様のヘルパーさんから聞きました。
ご自宅で倒れているところを奥様が見つけ、救急隊員に連絡されたそうです。
入院先に連絡し、どうにかお会いすることができましたが、「遺言書は退院してからゆっくり考えたい」とおっしゃったので、万が一に備えて、奥様の後見申立ての手続きを行うことになりました。
その後、ある日突然、ご主人の甥にあたる方から連絡がありました。
「叔父が今朝亡くなりました」と。
突然の死でご家族も私たちも動揺しました。
ご主人は遺言を作成される前にご逝去されてしまいましたが、「自分が先に亡くなった場合に残される妻が心配」というご本人の想いを私どもがしっかり受け止め、今後も奥様のサポートをしてまいりたいと思います。
継ぐサポ 信夫
関連サイト 老々介護の現状