2022年8月27日

独居の女性


先日お会いした「独居の女性」のお話です。
その女性は横浜市の一戸建てにお住まいの72歳。
ご両親は他界され、兄弟もおらず、未婚でひとり身の方でした。
ご担当のヘルパーさんを通じて相談依頼を受け、面談をすることになりました。
ご本人の心配事はこれから先の生活についてです。
現在要介護2で杖をお使いになっています。
体調のいい日は杖を使ってなるべく外出するようにしていらっしゃいますが、病院など遠方に出かける際は誰かの付き添いが必要な状況でした。

その方が、意を決して話してくださった相談内容に私は言葉を失いました。
「現在貯金も少なく、あるのはこの古い建物だけです。こんな私でも入れる施設はありますか?」
その言葉は淀みのないしっかりとした口調でした。
現在の貯金、建物の価値、自分の年齢、身体の症状などを考えて、将来に不安を抱き、ヘルパーさんに相談したとのことですが、その言葉には深刻さが込められていました。

また、ご自身の将来の不安の他に先祖代々のお墓問題も抱えていました。
自分が亡くなってしまった後に誰もお墓を守る人がいないことに大きな不安を抱えていて、「以前お墓参りした際にお寺の石屋さんに相談すると墓じまいには約100万円かかると聞いた」など、具体的なお話もすでにされていました。
そのときはまだ当分先の事だと思い、話を前に進めず、今日に至ったそうです。

実は今回のケースは、今最も多いお悩みの一つになります。
このようなケースは、ご自宅を売却したお金を資金として、今後の施設の費用や入院、お墓の費用など総合的に考慮し、施設を探す必要があります。
当団体では、ご自宅、施設、お墓の事などその方の抱える問題を含め、ご本人が気付いていない問題に対しても対応やサポートをしている事や今回の解決案をお話しました。

また、お墓の問題も、仮に墓じまいをしてしまうとご本人の入るお墓がなくなってしまうため、今のタイミングではなく、いずれその時が来てご本人がお墓に入ったその後に墓じまいをするというのはいかがですかとご提案をし、そんなこともできるのねと驚かれながらも、ほっと安堵されたご様子でした。

おそらく数年前より、日に日にご自身の体調などを含め不安が募り、今回ご相談いただいたのだろうと思います。
悩みを打ち明けていただき、解決策をご提案し、最後に明るい表情で御礼を言われた時のお顔は今でも忘れられません。

継ぐサポ

 

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