2022年7月30日
ご高齢の夫婦の自宅売却をお手伝いさせていただいたときのお話です。
戦後まもなく集団就職で上京されたご主人と、東京で知り会われた奥様が建てられた思い出深いご自宅。
ご夫婦にお子さまはおらず、ご主人も数年前に旅立たれ、奥様おひとりでお住まいになっていました。
そんな中、奥様が倒れて入院し、ご自宅での生活が難しい状況になった為、退院後は介護施設に入居することになりました。
そこでNPO法人都民シルバーサポートセンターから自宅売却の相談を受け、物件の現地確認のためご自宅へ伺いました。
築50年以上の建物は、現在のような耐震性能がないため、解体して建て直すか、更地にしてしまうか、と考えていましたが、
奥様のご希望は「主人と一緒に建てた大切な家なのでどうか壊さないでほしい」とのことでした。
そのお気持ちを受け、詳しく調べてみたところ、築年数の割には手入れも行き届いており、他の同じ築年数の家と比較してもとても丈夫に造られていることが分かりました。
それもそのはず、当時の大工さんが、たった一人で1年近くの月日を費やして建てられた家だというのです。
そこで、今回は解体は行わず、元の素材を生かしたリノベーション工事によって建物を生まれ変わらせることにしました。
ご主人との大切な思い出を生かした方法となり、奥様にも喜んでいただくことができました。
今後もご自宅を売却される方に喜んでいただけるような仕事ができればと思います。