2022年7月19日
高齢者施設への住替えにまつわるご相談内容です。
自宅で容体が急変し、救急車で運ばれ、約3か月間の入院を余儀なくされたF様。
その後退院するまでに回復したのですが、自立歩行ができないため、在宅ではなく病院からそのまま高齢者施設へ入居することになりました。
しかし、F様には身寄りがおらず、施設入居に必要な身元保証人がいません。
そこで当団体に身元保証と施設入居についてご相談がありました。
先ずは、身元保証契約と財産管理委任契約を結び、家族の代わりとなって施設への住替えのサポートをしていきます。
今回は、退院と同時に施設入居を行いますので、入居に必要な衣類や備品を揃えるため、一旦自宅へ立ち寄ることになりました。
移動には車椅子が必要な方でしたので、ご自宅のマンション内で車椅子通行ができるかどうか、事前確認に行くと、エントランスに居た管理人さんに「こちらのマンションの関係者ですか?」と怪訝そうな顔で声をかけられました。
事情を説明すると、「そうですか、それはF様も良い方と巡り会えたんですね」と安堵の表情を浮かべていました。
それもそのはずです。
身寄りのいないF様のために、緊急搬送されてから入院中もずっと、管理人さんが様々な対応をしてくださっていたのです。
そして、退院時にF様が一度ご自宅へ寄る旨をお話したところ、マンション内でお世話になった方々を集めて送別会をしましょうという話になりました。
日程調整をして、その当日。当団体で医療費・入院費などの清算や退院手続きを済ませ、いざご自宅へ。
先ずお部屋に向かい、施設入居の身支度を済ませ、送別会のことはサプライズとして何も伝えず、「では、施設へ行きましょう」と声をかけました。
エントランスに差し掛かった頃、くるりと方向転換し、集会場へ向かいます。
「何処へ行くんですか」と少し戸惑いを見せたF様でしたが、集会場に入り、出迎えてくれた住民の皆さんの顔を見ると、ぱっと満面の笑みに変わりました。
これまで見たことのなかった最高の笑顔です。
限られた時間ではありましたが、他愛もない会話をし、とても元気づけられたご様子でした。
別れ際に皆さんで写真を撮り、すぐさま現像し、この日のために用意していた皆さんのメッセージ入りのアルバムの最終ページに差込み、F様にプレゼントしてくれました。
皆さんとお別れした後も、介護タクシーでの施設までの道中、プレゼントされたアルバムを一生懸命見ていらっしゃいました。
無事に施設へ到着し、衣類や備品を整理し終えて帰る頃、少しお疲れのご様子でしたが、「今日はこのような機会を作ってくれて本当にありがとう。最高の思い出になりました。」と感謝のお言葉を頂きました。
私たち都民シルバーサポートセンターがとても大切にしている『今と、その先のありがとうへ』という想いを込めてサポートさせていただいた結果、このようなお言葉を頂き、とても嬉しい瞬間でした。
これから先、遺言による遺産対策や、お亡くなりになられた際の対策などのサポートが残っていますが、然るべきタイミングで対応し、F様が安心して暮らしていけるよう、家族の一員としてサポートしてまいります。
継ぐサポ