2022年6月30日
6月17日(金)に公開となった「PLAN75」という映画を公開翌日に観てきました。(⇒ https://happinet-phantom.com/plan75/)
この映画は、少子高齢化が一層進んだ日本の近い将来を舞台に、高齢者が満75歳から自ら生死を選択できる制度「プラン75」を通じて、人は何を選択し、どう生きていくのかを問いかける作品となっています。
本年度のフランスカンヌ国際映画祭でカメラドール特別表彰を授与した注目の作品です。
NPO法人都民シルバーサポートセンターで高齢者の相談対応をしている私としては、是非観ておきたい映画であり、早速映画館へ足を運びました。
高齢者がおかれる厳しい現実の中、様々な選択をしていく人間模様が描かれ、一見ネガティブなイメージを抱いた映画でしたが、主演の倍賞千恵子さん演じる「ミチ」から、人間の強さ、命の尊さを改めて強く感じさせられました。
倍賞さんの演技は、言葉は少ないながら、仕草や表情などから伝わるものは、心に染みました。
この映画を作った早川千絵さんは、こう話をしています。
「2000年代半ば以降、日本では自己責任という言葉が幅をきかせるようになり、社会的に弱い立場の人を叩く社会の空気が徐々に広がっていったように思います。そして2016年、障害者施設殺傷事件が起こりました。人の命を生産性で語り、社会の役に立たない人間は生きている価値がないとする考え方は、すでに社会に蔓延しており、この事件の犯人特有のものではないと感じました。政治家や著名人による差別的な発言も相次いで問題になっていましたし、人々の不寛容がこのまま加速していけば、<プラン75>のような制度は生まれ得るのではないかという危機感がありました」と振り返り、「そんな未来は迎えたくないという想いが、この映画を作る原動力となりました」と。
観る人によってそれぞれに感じるものは違うとは思いますが、高齢者に携わっている方には是非観てもらいたいと感じた映画でした。
継ぐサポ